近年の塗料事情

屋根・外壁塗装塗料の種類と選び方

ご自宅の塗り替えの際、ぴったりの塗料を探しましょう

アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機、ハイブリット
塗料の多すぎる種類を分かりやすくまとめました

建物の塗り替えをお考えの際、出来るだけ安い価格で高性能の塗料を使いたいと思います。

そんな時、ネットで調べてみると最初に出てくるのがアクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料と4つのグレードが表示されます。

ほとんどのサイトに書いてあるのは

「アクリル塗料は安いが耐用年数が短い」

「フッ素塗料は高いが耐用年数が長い」

「最近ではシリコン塗料は値段が下がってきているので、ウレタンと同程度になってきたのでフッ素塗料の次に耐用年数が長いシリコン塗料がおススメ」

といった内容が載っています。

次に続くのが「シリコン塗料とフッ素塗料の中間のハイブリット塗料が開発され、耐用年数はシリコン塗料以上、価格はフッ素塗料未満になっていて、おススメ。」

といった宣伝です。

 

そして、「ハイブリット塗料は低汚染機能が備わっているので外壁の美観を長持ちさせます」とも文言が添えられいたりします。言っている事は間違いないのですが、そもそも塗料における、ハイブリットとは何なのでしょうか。

車におけるハイブリットはエンジンとモーターの異なる2つの原動機を組み合わせた物をいいます。

 

ハイブリット塗料低汚染という名前にはなっているけど、フッ素塗料は外壁が汚れやすいということ??など疑問が出てきて、ややこしいと思います。

ここでは、分かりやすく分類していきます。

まず最初に塗膜になる樹脂と付加される機能に
ついて分けて考えていきます。

塗膜となっている主成分の基本はアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素

まずは「アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素」ですが、これは乾燥後の塗膜となる主成分(樹脂)のことになります。基本的に塗料の塗膜はこれらの4つの成分によって形成されているということを覚えていて下さい。

 

今後の記載順は安い方から並んでおり、耐用年水もそれに比例しています。外壁の汚れにくさついても値段と比例していて、高い方が汚れにくくなっています。

塗膜の主成分は基本的に4つですが、最近の塗料は舌の3つも加わります。

100%アクリル(ピュアアクリル)

前述のアクリルは可塑剤(塗料を柔らかくしている成分)などが含まれている不純物の多さを指しています。不純物をほぼ完全に除いた100%アクリル(ピュアアクリル)はフッ素と同等の耐用年数と汚れにくさが実現しています。ただ、お値段は高くなっています、、、

使用されている外壁塗装用塗料 エラストコート

特殊アクリル

アクリルに特殊処理を加えたものになっていて、耐用年数と汚れにくさはシリコン以上を実現したものです。

使用されている外塀塗装用塗料 パーフェクトトップシリーズ

使用されている屋根塗装用塗料 パーフェクトクーラーベスト

無機成分(ハイブリット)

塗料は基本的にすべて有機成分をメインにつくられていますが、化学変化を起こしづらい無機成分塗膜を成分として配合しているので、耐用年数と汚れにくさがフッ素と同等以上を実現することも可能です。また、無期と有機のハイブリット塗料とも呼ばれています。

使用されている外壁塗装用塗料 ダイヤスーパーセランシリーズ

使用されている屋根塗装用塗料 ダイヤスーパーセランIR

フッ素塗料以外は全てのものにアクリルが入っています
樹脂の結合の仕方で全てが決まる

化学の世界の面から見てみると、フッ素以外はアクリルが含まれている事が分かります。アクリル塗料はもちろんですが、ウレタンはアクリルウレタン塗料、シリコンはアクリルシリコン塗料ということになります。

ウレタンに関していえば、アクリルポリオールが使われているため、ポリウレタン塗料とポリウレタンと呼ばれています。

なのに、これらはウレタン塗料やシリコン塗料と呼ばれているは、塗膜が乾燥時にウレタン結合を持つ樹脂、シリコン結合を持つ樹脂となるからです。

誤解を避けるために、分かりやすく「アクリル」の部分は省略されています。

長寿命を実現する為に付加されている機能

ナノテクノロジーによって塗膜の成分となっている樹脂を1メートルの10億分の1のサイズまで微小化することです。

これにより、塗膜が緻密になり均一化されるので、耐用年数がながくなり汚れにくさも実現できます。

 

使用さている外壁塗装用塗料 ナノコンポジットシリーズ

ラジカルフリー(HALSハイブリット)

塗膜の色褪せの原因にとなっている紫外線を吸収するだけではなく、劣化の原因となっている成分(ラジカル)が発生した場合は悪影響を及ぼさないようにそれを閉じ込める技術になっています。

ラジカルフリーやラジカル制御、HALSハイブリットと各メーカーによって呼称が異なります。ラジカル制御と紫外線吸収の2つで劣化を抑えていることから、ハイブリットになっているので、塗膜に無機成分を配合しているハイブリットとは別物になっています。

 

使用されている外壁塗装用塗料 

ナノコンポジットF パーフェクトトップ アレスダイナミックTOP ハイウエザーDC エスケープレミアムシリコンなど

低汚染を実現するために付加された機能

塗膜への親水性の付加

どんな環境でも外壁には汚れが必ず付着します。その汚れよりも水分の方が外壁に付着しやすいとしたらどのようなことになるかというと、水分は汚れの下に潜り込みます。

こうなると汚れは外壁から浮いた状態となりますので、雨でながされやすくなるのです。ナノテクノロジーや光触媒といった技術によって親水性を付加することが出来るのです。

使用されている外壁塗装用塗料

ナノコンポジットシリーズ ダイヤスーパーセランシリーズ パーフェクトトップ アレスダイナミックTOP ハイウエザーDC エスケープレミアムシリコン ハイドロテクト カラーコートなど

 

使用されている屋根塗装用塗料

ダイヤスーパーセランIR ファインパーフェクトベスト パーフェクトクーラーベストなど

劣化の原因でもあり、光触媒技術の核でもある顔酸化チタン

塗料に白色を付けるために用いられている顔料が酸化チタンになります。この酸化チタンは日光にあたると様々な物質を分解する特徴があります。

日光によって酸化チタンが塗膜を分解してしまう現象が「劣化」になります。この酸化チタンの特徴を応用し、塗膜ではなく汚れを分解させてしまう機能を持たせたのが光触媒塗料になります。技術の進化によりデメリットをメリットに変化させることが出来ました。

遮熱、断熱といった快適な空間を作るために付加される機能

遮熱機能の付加

「太陽光を効率よく反射する」、「赤外線を吸収させない」などの仕組みで室温の上昇を防ぎ、エアコンの稼働率を下げることで、光熱費を節約を節約することが出来ます。

光熱費の節約を出来るということは、二酸化炭素の排出を

減らすことにつながりますので、地球温暖化対策にもなるのが特徴です。

使用されている外壁塗装用塗料

サーモアイウォールシリーズ ダイヤスーパーセランIR クールテクトなど

 

使用されている屋根塗装用塗料

サーモスアイシリーズ ダイヤスーパーセランIR クールタイト ミラクールなど

断熱機能の付加

屋外の暑さを室内に伝えない、室内の暖かさを室外へ伝えない機能になります。熱の移動を非常にゆっくりにしてくれるとイメージしやすいと思います。

例えば、真夏の暑さが室内へ伝わるのに12時間以上かかるとした、どうなるでしょうか。

日の出の時の暑さが室内へと伝わったときには、すでに日は暮れていますので、熱源はほとんどなくなっています。

結果として、温度が上昇することはほとんどありません。

●塗料のそれぞれの特徴

アクリル塗料

現在では新築時、塗り替え時にもそれなりの長い耐用年数を求められる塗り替えには使われることがほとんどなくなりました。

だた、発色がいいというメリットはあるので、「数年だけ持てばいい」という期間が決まっている建物などには使われることがあります。そのような建物の運用をされる方や、低価格を活かして、塗り替えを頻繁に行いたい方にはおススメになります。

ウレタン塗料

木から金属まで幅広く、塗る場所を選らばない塗料になっていて、環境と立地によってはそれなりの耐用年数が期待できるので汎用性が高いという特徴があります。

シリコン塗料

少し前までは、最も一般的でそれなりに耐用年数も長いため、使われることが多い塗料でした。しかし、近年ではシリコン以上に耐用年数が長く、費用対効果も期待できるラジカル制御型のハイブリットが誕生したため、こちらもウレタン塗料同様、使われる機会が減ってきています。

ラジカル制御型ハイブリット塗料

ここ数年で、各メーカーが力を入れて新製品を投入しているジャンルになっていて、今一番競争が激しいジャンルです。

「ラジカル」「ハルス」「ハイブリット」といった単語を組み合わせた商品の名前にしているメーカーが多いうえに、扱う業者によっても「ラジカル塗料」「ラジカルフリー塗料」「ラジカル制御型塗料」と様々な呼称があります。

ナノテクノロジー塗料

ナノテクノロジーを応用していて21世紀型塗料で低汚染という特徴があります。石油由来の原料を大幅にカットすることが出来るので、エコな面もある塗料になっています。

ただ、艶なしでマットの仕上がりが特徴になっているので、艶ありのものは今のところ存在しません。

光触媒塗料

塗膜が劣化する原因だった酸化チタンの特性である、汚れ自体を分解させて落とすことに利用するという技術を使っており、空気浄化機能もあるのが特徴です。

アクリル100%(ピュアアクリル)塗料

ピュアアクリル、100%アクリルなど呼ばれる塗料で、弾性に優れているのが一番の特徴です。クラックへの追従性が高いので、ひび割れが入りやすいモルタルなどの外壁に使われることが多い塗料です。

フッ素塗料

耐候性と寿命の長さがしっかり証明されており、頻繁に塗り替えが出来ないビルやマンションなどの建物にコストがかかるにもかかわらず、利用されています。

スカイツリーにも、その実績からフッ素塗料が使われています。

無期系ハイブリット

無機、有機シリコン結合のいいところを組み合わせた塗料で、耐用年数が20年近くあり、それ以上とも言われている高耐久が特徴です。

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